混床式純水装置/2B3T純水装置
混床式純水装置
混床式純水装置は陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を同一塔内に充填し、混合した樹脂に原水を下降流で流すことで純水を製造します。
イオン交換樹脂はスチレンとジビニルベンゼンの共重合体の球状粒子を母体とし、イオン交換能力を有した交換基により陽イオン交換樹脂はCa2+、Mg2+、Na+、などの陽イオン成分を除去し、陰イオン交換樹脂はSO42-、NO3-などの陰イオン成分を除去します。
混床式純水装置は陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混合しているため、陽・陰イオンを交互に脱塩することで高純度の純水を得ることができます。
一定量の採水を行うと塩酸、苛性ソーダを用いる「再生」を行い、イオン交換能力の回復を行います。混床式純水装置は処理水の純度が極めて良いことと、設置スペースが少なく済む利点がありますが、原水の硬度が非常に高いなど原水水質が悪い場合には不向きであること、薬品使用量が比較的多いという欠点があります。
陽イオン交換樹脂 イオン交換の仕組み
陰イオン交換樹脂 イオン交換の仕組み
2B3T純水装置
2B3T純水装置は陽イオン交換樹脂のみが充填された陽イオン交換塔、脱炭酸塔、陰イオン交換樹脂のみが充填された陰イオン交換塔の2床(2Bed)3塔(3Tower)から構成されています。
原水はまず陽イオン交換塔へ通水して陽イオン成分を除去します。
陽イオン交換塔を通った水は原水中に含まれるCa2+イオンなどがH+イオンに交換されるため水のpHは酸性を示します。酸性になると水に含まれる炭酸成分がガス化してくるため脱炭酸塔で空気を送り込んで炭酸成分を除去することで陰イオン交換樹脂の負担を減らし、陰イオン交換樹脂量の低減が計れます。
また、通水とは逆方向から薬品を流すことによって効率的な再生が行われるため、使用薬品量は混床式純水装置よりも少なくすることが可能です。
混床式純水装置と比較して、原水硬度が高い水でも対応が可能であること、使用薬品量が少ない利点がありますが、設置スペースが混床式純水装置よりは多く必要であることと、処理水の純度は混床式に比較すると若干劣るという欠点があります。
使用用途
混床式純水装置や2B3T純水装置は様々な用途において使用されております。
- 地方自治体などにおけるごみ焼却場のボイラー用途
- 食品、飲料関係
- 医薬用水
- 半導体製造工場
など・・・